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柳生忍群 第四巻
(解題)
三洋社発行。 本編160ページ。 昭和36(1961)年春から夏にかけて出版された。 多彩なキャラクターを自由自在に操った大作時代劇の事実上の完結編。 柳生十兵衛・かげろう・宮本伊織・服部半蔵・真田幸村らのそれぞれの行くべき道が示される。 急いで執筆したためか、第2巻・第3巻に比べて、登場人物の表情や動きに描き込みが少なく、全体的に絵が粗くなった感があり、残念である。 それでもストーリーは抜群に面白く、複雑に入り乱れた人物関係を大団円に向けて無駄なく収束させていく手腕は見事だ。 清涼感のあるハッピーエンドは好感が持てる。
(あらすじ) かげろうの心には迷いが生じていた。 それを生じさせたのは、美保への慕情だった。 忍者が人並みの心を抱くということ、それは術の破綻を意味する。 かげろうの命を狙う真田幸村配下の忍者は、息を潜めてその瞬間を待っていた。 一方、柳生十兵衛との決闘が引分けに終わった宮本伊織は、生きる希望を失い無頼の徒と化して無為の日々を送っていた。 美保は昔の伊織に戻ってほしいと懇願するが、虚無に囚われた伊織の心は戻らなかった。 そこへ義父の宮本武蔵が現れる。 伊織の乱れ果てた姿に絶望する武蔵。 二人は剣を抜き対峙する。
その頃、真田幸村は、神道無念流抜刀術の達人樋口十郎太を催眠術によって操り、近日中に開催される江戸城内での御前試合の場において、将軍を暗殺しようと企てていた。 かげろうからの情報で真田の残党による陰謀を知った柳生十兵衛と服部半蔵は、その実行を何とか阻止すべく目を光らせるが…。 |
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