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41 元禄花見踊り(純愛忠臣蔵シリーズ5)
(解題)
つばめ出版発行。 本編131ページ。 昭和40(1965)年3月頃に出版された。 『書籍雑誌卸月報』には同年の2月号、3月号、4月号に出版広告が載っているのを確認。 「純愛忠臣蔵シリーズ」の第五作目は、上役の親戚を殺めて赤穂藩を追われた不破数右衛門が主人公。 お人好しで粗忽者の数右衛門の秘められた恋を描く。 亡き親友の妻と子に対して密かに愛情を抱く数右衛門が祭りの太鼓を叩くシーンは、稲垣浩監督の映画「無法松の一生」の名場面を髣髴させる。 この作品は後にリメイクされ、「剛夕忠臣蔵」シリーズの一つとして『別冊漫画アクション』昭和45(1970)年11月14日号、11月28日号、12月12日号に全三回連載された。
(あらすじ) お人好しで粗忽者の不破数右衛門は、幼馴染の千夏を密かに好いていた。 毎年恒例の花見踊りの夜、数右衛門は千夏から手紙を渡される。 そこには「お願い事があるので、明日会ってほしい」と書いてあった。 愛の告白と勘違いして舞い上がる数右衛門。 しかし、千夏の実際の願い事とは、数右衛門の親友・金丸錦吾が好きなのでお嫁に行けるように仲を取り持ってほしい、というものだった。 早とちりに落胆する数右衛門であったが、すぐに気を取り直して、千夏と錦吾の縁談をまとめるのだった。 だが、陰でこれを恨む者がいた。 家老の息子・大野郡右衛門だった。 彼は千夏に懸想し、無理やり結婚しようと企てていたのだ。 それなのに格下の者に千夏を奪われ、面目丸潰れであった。 郡右衛門とその仲間は、腹いせに錦吾を襲い、彼を殺害する。 怒った数右衛門は、郡右衛門らと対決し、仲間の一人を殺してしまう。 私闘は禁じられていた。 数右衛門が斬った相手は重役の甥っ子である。 厳罰は避けられないところを、主君・浅野内匠頭と城代家老・大石内蔵助は一計を案じ、数右衛門を乱心者として追放に処した。 主君に深く感謝する数右衛門は、いつの日か必ず恩に報いることを誓う。 そしてその時は来た。 浅野家断絶の報を聞いた数右衛門は鎧櫃を担いで播州赤穂に戻ってくる。 同志に加わることを許された数右衛門。 そんな彼の唯一の気掛かりは、千夏とその子供の行方であった。
数右衛門の追放後、千夏は男の子を生んだ。 錦吾との子である。 夫・錦吾を殺され伯父の家に引き取られた千夏は郡右衛門に再び言い寄られたため、赤ん坊を抱えた身で江戸の知り合いを頼って赤穂を去ったという。 そしてそのまま行方知れずとなった。 千夏とその子供は江戸のどこにいるのか。 討ち入りの準備のため江戸にやって来た数右衛門は、折を見て千夏親子の消息を尋ねるが…。 |
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