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19 浪花歌行燈


(解題)
つばめ出版発行。 本編126ページ。 昭和38(1963)年1月頃に出版された。 幕末を舞台にした「燈(ともしび)シリーズ三部作」の最終作。 新撰組隊士・原田左之助を主役にした一編。 しかし、その人物設定は、史実と全く違うものである。 このお話の原田左之助は、鳥羽伏見の戦いに敗れた後、新撰組から脱走、恋人と結婚して、日清戦争後まで存命したことになっている。

(あらすじ)
原田左之助は、父の遺言を守って武士の身分を捨て、商家に奉公していた。 幕府の役人であった父は、薩摩藩の横暴により詰腹を切らされて死んだのだった。 左之助の心には薩摩藩への深い恨みが遺されていた。 奉公先の菱屋は、大坂・船場の大店だった。 一人娘のお京は左之助と恋に落ちるが、周囲の反対により二人は別れさせられる。 菱屋を追い出された左之助は、旧知の伊東甲子太郎を頼って京都・壬生の新撰組に入隊し、幕末の血生臭い風の中を突き進むことになる。


(補足/by風かをる)
この作品は「恋の新選組」(ひばりコミックス/昭和42年11月15日)と改題して再発行されています。 A5判から新書判に「判」を変更、題名は『長篇大ロマン』を意識しないものに変更されたのではないかと思われます。  カテゴリ『長篇大ロマン』、「浪花歌行燈」参照