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B6判 「忍法!!黒い影」


(解題)
ひばり書房発行。 本編128ページ。 「ひばりの漫画全集」第417巻として昭和34(1959)年4月頃に出版された。 小島剛夕が漫画家として初めて描いた本格的な忍者もの。 小島が好んで描く女忍者「おぼろ」の原型と言えるキャラクターも登場。 甲賀忍法帖を巡る甲賀と伊賀の争いがメインストーリーだが、主人公小平太の出生の秘密や小平太を嫌う多聞との確執、逆臣に乗っ取られた夕月城の話、謎の忍者「黒い影」の存在など、いろいろな要素を詰め込み過ぎて、少々まとまりに欠けるのが残念である。 絵はさすがに上手。

(あらすじ)
甲賀の里が舞台。 捨て子の小平太は日々忍術の鍛錬に励んでいたが、甲賀一族の血が流れていない小平太を嫌う多聞は、事あるごとに小平太を痛めつけていた。 そんな小平太に女忍者のこずえはいつも同情していた。 夕月城主土部元鬼に追われ甲賀の里に客人として迎えられた小滝刑部は、伊賀の里に潜入して奪われた甲賀忍法帖を取り戻す任務を小平太に命じるよう頭領に進言する。 小滝刑部の狙いは、取り戻された甲賀忍法帖を奪って織田信長に献上し、一国一城の主になることだった。