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夜の戦鬼


(解題)
佐藤プロ発行。 本編92ページ。 昭和42(1967)年1月1日発行の『全国貸本新聞』第100号に掲載された新刊広告に拠ると、同年1月頃に出版された。 表題作の他に、佐藤まさあきによる「武士道無惨」(35ページ)が併載されている。 小島作品は、第一話「夜の戦鬼」と第二話「里入り忍」の二話から成り、柳生十兵衛が登場する以外、二つの話に関連性はない。 第一話「夜の戦鬼」は、講談社発行の月刊誌『ぼくら』昭和41年新年増刊号に諏訪栄名義で発表した「柳生忍群・十兵衛の目」を改題再録したものではないかと思われる。 第二話「里入り忍」が、書き下ろしなのか新作なのかは不明。 どちらの話も、過去の作品で見たようなシーンの焼き直しが目に付く。

(あらすじ)
第一話「夜の戦鬼」/とある藩に、柳生十兵衛が立ち寄った。 十兵衛の目的は、藩主が将軍家に対して謀反を企てているのを探ることだった。 それを悟った剣術指南役の井吹一剣と隠し目付の風之助は、十兵衛の真意を探りつつ、彼を倒す機会を窺うが…。
第二話「里入り忍」/父親が天草のキリシタン忍者であることを知った十吾。 死に際の父から天草四郎への密書を預かった十吾に柳生忍群が襲い掛かる。


(補足/by風かをる)
第一話は、成瀬氏の推測通り『ぼくら』掲載の「柳生忍群・十兵衛の目」を改題再録したものです。 参考のため「柳生忍群・十兵衛の目」の画像を載せておきます。 第二話に関しては似たようなストーリーはありますが、今のところ詳細は不明です。