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忍法かげろう(忍法秘話別冊)
(解題) 昭和39(1964)年11月30日に加藤書店(青林堂)から発行された。 本編127ページ。 奥付に「忍びのヒデト」という全く違うタイトルが記されている通り、この『忍法かげろう』は、実は、講談社発行の月刊誌『ぼくら』昭和39年3月号〜6月号に連載された「忍びのヒデト」を改題して一部加筆したものである。 ちなみに、「忍びのヒデト」も諏訪栄名義で発表された。 豊臣秀頼の遺児・秀人と柳生忍者の死闘をスピーディーに描き、かなり楽しめる作品に仕上がっている。 柳生十兵衛に命じられて秀人を付け狙う「かげろう一族」なる七人の忍者の中に、デビュー作『かげろう殺法』と長編第二作『無明逆風剣』に登場する怪剣士・左文字典嶽(この『忍法かげろう』では左文字一剣)や、長編第四作『隠密黒妖伝』に登場するみみずく老人(この『忍法かげろう』ではみみずく道人)がいるのも小島ファンにとっては嬉しい限りだ。
(あらすじ)
大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してから十年が経ち、大阪城落城の記憶もようやく薄れたある日のこと。 南伊豆の海辺で漁に励む少年がいた。 ヒデトという名のその少年は、実は豊臣秀頼の遺児であったが、本人はその事実を知らぬまま、傳役の忍者・音十に忍法を教え込まれ、表向きは漁師の子として育てられてきたのだった。 徳川幕府がそのことに感ずかぬはずはなかった。 柳生十兵衛とその配下の忍者たちが、ヒデトと音十を襲った。 音十は殺され、ヒデトは危ういところを凄腕の浪人・青葉三十郎に助けられる。 音十を喪ったヒデトは、青葉三十郎を慕い、立派な兵法者になることを夢見て、三十郎と共に旅立つ。 豊臣方の忍者・猿八は、二人の後を追った。 そして、柳生十兵衛とその配下の忍者達もまた…。
(補足/by風かをる)
参考のため、『ぼくら』連載の「忍びのヒデト」の画像を掲載しておきます。 全く同じ原稿であることが確認できます。 『ぼくら』では終わり方が少々物足りない感じがしますが、貸本版ではその部分を加筆しています。
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