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36 木戸は開かれた
(解題)
つばめ出版発行。 本編128ページ。 昭和39(1964)年7月頃に出版された。 幕末から明治維新、そして、文明開化という激動の時代が舞台。 同じ女を愛してしまった兄弟の葛藤を描く。 結末のために必要な展開ではあっても、記憶喪失のヒロインの過去が終盤になって取って付けたように明かされるのはいただけない。 語りのテンポも悪く、主人公たちの優柔不断さに思わずじれったくなる。 全力を傾けた「純愛忠臣蔵シリーズ」の合間に発表されたためか、低調な出来である。
(あらすじ)
十三夜の月が美しいある夜のこと。 旗本・風間家の門前に美しい娘が倒れていた。 過去の記憶を一切失っていたその娘を風間家は引き取り、十三夜にちなんでその娘を「十三絵(とみえ)」と呼ぶことにした。 風間家には腹違いの兄弟がいた。 兄の伊織は、無口な学者肌。 弟の絃太郎は、陽気な行動派であった。 やがて二人は十三絵のことを女として意識して、ともに彼女を深く愛するようになる。 だが、時は幕末。 風雲急を告げる時代の激流は、三人の感情を否応なしに押し流し、悲劇を生むのであった。 |
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